子どもがNICUに入院していたときの話(2)

f:id:tonymctony:20180410084152p:plain

 

いよいよ子どもと対面することになったトニー。「家族3人」という意識、父親になった自覚は芽生えるのか!?

 

前回の続きです。

www.tonymctony.com

 

女性は妊娠するとお腹の中に赤ちゃんがいる状態ですし、出産すると、その体験を通じて母親になったことを自覚しやすいと聞きます。

 

対して男性は、関わらなくてもこどもは生まれてくるし、関わっていても、あまり実感が湧かず、普段と殆ど変わらなく過ごせるため、妻の出産後も、父親になったことを自覚しにくいと聞きます。

 

その温度差が災いして喧嘩が起こったり、トラブルの種になったりすることもあるようですね。

 

 

父親の自覚、私の場合

私の場合、育児休業を取得して、「子ども第一、妻第二、自分のことは後回し」をポリシーに生活していますが、「父親」というよりも「お世話係」の感覚が強いかもしれません。

 

もちろん私は息子の「父親」であると認識していますし、病院などで「パパ」「お父さん」という呼称で呼ばれることに違和感は感じません。

 

ゆえに、「自覚はあるんだろうけど、これが自覚なんだろうか?」という若干ふわふわとした感覚なんですよね。

 

でも、これは決して悩むことではなく、解決したとしても何かが変わるものでもなく、そういうものなんじゃないかな?という意識です。

 

そのように落ち着いて捉えられるのも、「子どもがNICUに入院していた経験があったから」なのかもしれないと思っています。

 

息子の待つNICUに行く

前置きが長くなりましたが、今回は、息子と初めて会った時のお話になります。

 

妻との移動はタクシーで

出産後の女性は大怪我をしているようなものです。常に痛みがあり、歩く時も痛みをこらえつつ、ゆっくりとしたペースになります。これは男性には分からない痛みですし、味わいたくないレベルの痛みでしょう。。

 

また、妻の場合、出産時に平均以上に大量に出血をしていたこともあり、普段から貧血気味なのに、より一層血がない感が表情に出ていました。(唇の色が肌色に近く、薄い色になっていた)

 

そんな状態でも「子どもに会いに行きたい」という想いで行動できるのは、母性の為せる業なのでしょう。

 

そんな状態の妻ですから、移動は無理をさせられません。故に、NICUへの移動はタクシーでの移動になります。(我が家は車を所有しておりません)

 

交通費 

産院からNICUのある病院までは、タクシーで片道2500円ほど。往復で5000円です。電車と徒歩だと、2人で往復1000円いかない程度、およそ4000円の開きがあります。

 

普段吝嗇な私からすると、家計的な手痛さはありますが、そんなことを言っている状況ではありません。「こういうときに使わずして、いつ(お金を)使うのか!」と、自らを奮い立たせ、自分の吝嗇面を追い出しました!

 

それでも、どうにか安くならないかと思案しておりました(笑)するとあったんです!普通に使うより安くなる手段が!

 

全国タクシー」というタクシーを呼び出せるアプリがあって、ちょうど新春キャンペーンで割引クーポンを配っていたので、夫婦で利用することにしました。 これは本当に便利でお得で助かりました。

 

タクシーでの移動中

そんなわけで、妻を産院に迎えに行った後、外出手続きを済ませ、妻のスマホからアプリ経由でタクシーを呼び出してもらい、NICUに移動します。

 

私はタクシーメーターを気にしながら、妻の話を只管聞きます。

「元気だといいね。」

「早く退院できるといいね。」

「昨日搾乳した母乳はちゃんと飲めたかな?」

 

妻は子どものことで頭がいっぱいです。私は妻の体調に気を配りつつ、やはりタクシーメーターにも気がいきつつで、とても精神的に忙しい移動となりました。

 

NICU内部に潜入

NICUに到着し、面会の手続きをしていざNICUの中へ。しっかりと石鹸で手洗いをし、アルコール消毒も済ませ、看護師の方に案内されて息子の保育器の前へとやってきました。

 

初めて間近に見る息子は眠っており、片手にいくつかの管が通されていました。看護師の方によると、そこから栄養や抗生物質などを投与しているとのこと。また、脈拍や呼吸などいろいろな指標もモニタリングしているとのことでした。

 

そこまで私はやはりタクシー料金に半分ほど意識を囚われていたので、前日ほどの不安と緊張に囚われておりませんでした。ゆえにある意味ニュートラル?な状況で会えてよかったなと思っています。

 

息子の病状を聞く

その後、担当の先生が挨拶に来て、息子の状況についての説明がありました。

 

息子は産まれてくるときに、羊水と一緒に自分の便を飲んでしまったらしく、それで肺に羊水が溜まっていたため、呼吸がしずらかったのではないか。また、出産があっという間だったため、びっくりしてしまい、呼吸をする準備が整っていなかったのではないか。という見解でした。

 

なんというか、非常にアバウトな感じですが、そういうものみたいです。羊水と便を飲み込んでしまうのは、よくあることみたいですね。

 

その日は他に黄疸の数値が高くなったのと、炎症反応が高めだったので、抗生物質を投与するのと、紫外線治療器を使うという説明がありました。これもよくあることみたいで、そこまで心配することでもなさそうでした。

 

息子を胸に抱き、感動するの巻

「引き続きよろしくお願いします。」と担当の先生に挨拶をした後、息子が泣き出しました。NICUにいるとは思えないしっかりとした泣き声でしたので、うるさくは感じず、「元気だなー。」と安心したのを覚えています。

 

看護師の方が慣れた手つきでおむつを交換し、哺乳瓶での授乳をしながら、お世話の仕方などを説明してくれました。飲み終えると、息子はまた眠りだしました。

 

初めての抱っこ

保育器に入っていたため、私たちは触れないのかな?と思っていると、「抱っこしますか?」と問われました。

 

触るのを通り越して抱っこか!

 

私はそれまで赤ちゃんを抱いた経験が全くなかったため、抱っこの仕方を教わりながら、腕の準備をし、その上に息子を乗せてもらいました。

 

俎板の上に中華鍋を置いているような落ち着かない体勢でしたが、私は初めて息子を抱きました。息子は私の腕に乗っても、目覚めることなくすやすや眠っています。そのことになんだか感動してしまい、涙が。。

 

あたたかさに驚く

あたたかい、いや、思いのほか熱いな。。こんなに熱くて大丈夫なのか?感動のあとに来たのはそんな不安でした。

 

実は妻は2日前に義母と共にNICUに来て、息子との対面を果たしており、私と同じような不安を抱いて看護師の方に確認したそうです。赤ちゃんは平熱が高いそうで(36.5℃~37.5℃が平均的らしい)問題ないとのこと。私が不安がっているのに気づき、そっと教えてくれました。

 

ただ抱っこしていただけなのにもかかわらず、あっという間に時間が過ぎて、気づけば2時間ほど経っていました。

 

初めての授乳

その後、妻は初めての授乳に挑戦し、息子が大泣きし、、(最初はうまくいかないことが多いらしく、この後妻の挑戦の日々が続きます。)そうこうしているうちに、妻の外出時間のリミットが近づいてきました。

 

妻を見ると、とても名残惜しそうですが、明らかに疲れの色が見えており、「また明日も会えるから、今日はしっかり休もう」と提案し、看護師の方に謝意を伝え、帰ることになりました。

 

私はというと、 おむつ替えも沐浴もミルクを作ることもしなくてはいけないのか!という、お世話」に関する不安が湧いてきて、名残惜しさはあるものの、「帰って色々調べないと!」とという別の焦りが生じてきていました。

 

父親の顔だった?

帰りのタクシーで、やはりタクシーメーターを気にしながら、妻とその日の感想戦をしていたところ、

 

「あなたが子どもを抱いているのを見れてよかった。お父さんの顔してたよ。」と言われました。その一時はタクシーメーターの存在を忘れるほど、嬉しかったです。

 

「そうか、父親なんだよなあ。」と諦観とも感慨とも違う、なんらかの感情を感じると途端疲労がどっと湧き、私は少し眠っていたようでした。

 

妻の退院が早まることに

妻の産院に戻り、外出から戻った旨を窓口で伝えると、妻の担当の先生からお話がありました。

 

それは「通常は5日の入院期間を4日に変更しませんか?」という提案でした。本来は退院まで病院で育児にあたってのさまざまな指導をしてもらえるのですが、子どもと母親が別の病院にいるため、それができません。

 

ゆえに、通常通り入院していても仕方ないので、外出時間等に縛られずに子どもに会いに行けるように、退院を速めるように手続きを取ってくれるというお話でした。

 

妻は入院中に子供の泣き声が聞こえるときに、自分の子どもがそこにいないことを考えて辛くなってしまうことがあるそうで、特に夜はより一層寂しさを感じてしまっているようでしたので、この提案はとても嬉しいものでした。

 

妻の荷物が殊の外多かった 

私たちは先生からの提案を受け入れ、妻が1日早く退院できるようになりました。その1日早い退院とは翌日の午後だったので、妻の荷物を家に持ち帰ることに。

 

これが重い!内祝の分厚い冊子がなんでこんなにあるんだ!?ミルク購入特典情報冊子とかおむつの試供品とか、嵩張るものばかりです。

 

なんというか、結婚式の時もそうだったのですが、お祝い事にかこつけたビジネスというのは、こうも押し付けで古典的なのかと辟易しましたね。。

 

産院から家までは歩いて20分ほど、「抱っこのためのトレーニングだ!」と自分に言い聞かせ帰りました。いや、本当に疲れた。。

 

そうして翌日、妻が無事退院し、息子の退院までNICU通いが続くことになります。

 

 

www.tonymctony.com

 

(3)につづく