子どもがNICUに入院していたときの話(3)

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妻の一日早い退院が決定し、NICUに通い続ける日々が始まろうとしていた。

 

妻の体調は大丈夫だろうかと心配するトニーだが、妻は自分の体調よりも子どものことで頭がいっぱい猪突猛進。そして、子どもが退院する日はいつなのか?タクシー代はどこまで積み重なるのか!?

 

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前回の続きです。

 

 

妻の状況について

妻の体調は、完全に回復しきっていませんでした。女性が出産から日常生活に差し支えないレベルまで回復するまで1か月、完全に回復するまで半年かかると聞きます。

 

ゆえに、無理はさせられないのですが、妻は自分のことは二の次で、子どもが心配で心配で仕方のない様子でした。

 

もちろん、NICUの方には「毎日来るように」と無理強いもさせられていませんし「来れるタイミングで来てくれれば十分」と言われていました。

 

それでも、やはり毎日長い間付き添いたいのが母性の為せる業なのか。もちろん私もできる限り、子どもと一緒にいたいと思っていましたが、妻も大事です。

 

交通費について

家からNICUへは片道30分程度、移動は前回お話した理由でタクシーです。往復7000円程度が飛んでいきます。。(お財布も大事です。)

 

いくらタクシーとはいえ、移動でも疲れるので、そのあたりを考慮しながら、NICU通いでは妻の体調を気遣うことに徹しました。

  

妻の退院

担当の先生の取り計らいがあり、予定より1日早く妻は退院しました。妻は子供が傍にいなくて心配でどうしようもなく辛くなっていたときに、助産師の方々がお話を聞きにくれていたことを思い出し、感極まっていたようでした。

 

とてもいい産院だったようで、「次もここで産む!」と宣言しておりました。本当にお世話になりました。

 

退院後すぐタクシーを拾い、NICUに向かいました。

 

子どもがNICUからGCUへ移動になった

NICUに到着し、窓口に面会に来た旨を告げて中に入ると、息子が、前日にいた場所とは違う場所に移動していました。「状態が良好なので、NICUからGCUに移った」ということのようです。

 

GCUについて

GCUとはGrowing Care Unitの略で「継続保育室」のことだそうです。病状が良化してきた後、退院に向けての準備をする場所という位置づけのようです。

 

担当の先生からは、抗生物質は念のため継続投与しているが、今後は私たちが家でお世話をする練習をしながら、息子の退院の時期を調整していくとのお話がありました。

 

安堵した私たち

思いのほか早く退院できそうだと分かり、金銭的にも安堵しました。妻を見ても同じ気持ちだったようで、目が輝いているように見えました。

 

その日は妻が授乳をし(これもまだまだうまくいかないようでした)、私はおむつ替えを教わり、意外と取れにくい大便に四苦八苦し、息子を抱っこして・・・、あっという間に時間が過ぎていきました。

 

妻は午前中退院のための診察や検査があり、忙しかったようで、すぐに疲れの色が見え、家に帰ってからの荷物の整理などもあるため、 早めにGCUを出ることにしました。

 

帰り道で、妻が語ったこと

帰りのタクシーの中で、妻がこんなことを話していました。

 

子どもがNICUに行ってから、私がいないとだめなのに!って思って、かわいそうだとか、早く行ってあげなきゃとか、気ばかり焦っていたんだけど、こうしてNICUやGCUでお世話してくれてる方々を見てると、しっかり看ててくれるんだなって、安心しちゃった。私がいなくてもしっかり快方に向かっているわけだし、 なんだか、そういう焦りみたいなものが無くなってきてるのよね

 

やはり、妻もどんどん良くなっている息子を見て安堵していたのでしょう。この後も、毎日行かなきゃ!という思いは消えませんでしたが、自分の体調を考えて、GCUに行く時間を調整したり、早めに切り上げたりする余裕が出てきたようです。

 

女性は産後、ホルモンバランスの崩れや生存本能の表れで、自分以外の人に子どもを触らせたくない!という想いが強くなることがあるそうで、これがガルガル期に繋がるとも言われています。

 

妻の場合、今回の経験がいい方向に作用しているのか、この後から現在に至るまで、そういった感情は湧き起らないそうです。

 

退院決定!

その後、平日は私が仕事のため、妻一人でGCUに通っていました。そして週の中頃、「週末に退院できます」という連絡をいただき、遂に息子が我が家にやってくることになりました。

 

NICUに入院してから11日目の土曜日、息子は無事退院しました。それは当初の出産予定日の翌日でした

 

その日までに妻は沐浴も教わり、授乳もなんとかできるようになっており、母親としての準備は完璧になっていました。

 

父親の私はといえば…おむつ替えしか習得しておりませんでしたが、この後、育児休業に入って場数を踏むことになるため、なんとかなりました。

 

退院の日

退院のために準備していた妻お手製のセレモニードレスに着替え、お世話になった看護師の方々に見送られながら病院を後にします。

 

いろんな人にお世話になったね。君がこうして元気になってよかった。

 

と、息子に心で語りかけながら、タクシーに乗り込みます。これが最後のタクシーだと思い、心が躍っておりました。

 

病院を出てから家に着くまで息子はずっと眠っていました。もしかして、早く出てきたのが申し訳なくて、出産予定日まで病気の演技をしていたのかな?なんて冗談を妻と言い合いながら、息子の寝顔を二人で見守っていました。

 

(おしまい)

 

おまけ:かかったタクシー代の総額

ここまで私が相当気にしていたタクシー代ですが、合計20回の乗車で、62,840円かかりました

 

ただし、「全国タクシー」アプリで合計5000円分のクーポンが使えたため、総支払額57,840円で済みました。これはかなり助かりましたね。

 

クーポンがない時もあって、お友達紹介でもクーポンを貰う手段もあったのですが、さすがに他の人に迷惑はかけられないなと思い、やめておきました。

 

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毎日のように使っていたので、夫婦そろってゴールドメンバーにもなってました(笑)ゴールドメンバーになると、時間に融通が利くみたいなのですが、この後タクシーを使うことがなく、まったく効果を試す機会が訪れないのでしたとさ。