大手紳士服チェーンが苦戦しているらしい。そういえば私も行かなくなった。

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少し前に見たお話ですが、大手紳士服チェーンが軒並み赤字になっているみたいですね(コナカは20年9月期は最終黒字に転換になる見通しだそうですが)。

 

コナカ、青山、AOKI…軒並み赤字「大手紳士服チェーン」苦境の理由 | Asagei Biz-アサ芸ビズ

 

そういえば私も大手紳士服チェーンでここ数年スーツを買っていないです。これからまた大手紳士服チェーンで買うか?と問われても「買わない」と答えるでしょう。

 

今回はその理由とそのきっかけになった出来事について、私とスーツに纏わるお話をしながらご紹介していこうと思います。

 

 

スーツとの出会い

初めてスーツを買ったのは大学入学前の3月でした。CMや広告の影響により「スーツと言えば、紳士服チェーン!」というイメージがあった私は、大学の入学式用に近所のコナカで購入したのです。3つボタンのスーツとワイシャツとネクタイを1つずつ買って、合計で5万円ほどだった記憶があります。

 

「高いなあ」というのが正直な感想でした。スーツなんて入学式以外にいつ使うのだろうか?という疑問もあったのですが、「大学生になったら1着ぐらい持っておいて損はない」というようなコナカの店員に唆されて購入に至ったのでした。

 

使う機会はあったが…

確かに、入学式の後は成人式や教員免許を取るために受けた介護施設での実習で使用する機会がありましたから、持っていて損はないというか、いつか必要になるものだったのでしょう。

 

しかし、それにしても5万円は高かったなぁという気持ちはずっとありました。

 

教育実習で買い足す

その後、大学3年生の時に約1か月間の教育実習をすることになり、1着だけではまずいだろうということで、スーツを買いに再び近所のコナカでスーツを2着購入しました。

 

この時は2着目千円だか2着目半額だかの当時はいつでもやっていたようなキャンペーンセールを実施していて、それに乗せられる形で2着を買ったのです。その時もワイシャツを買って5万円ぐらいでした。

 

2着目が安くなると言っても高い買い物だなぁと思いましたよね。たかだか1か月しか使わないのに。

 

就職活動で買い足す

そして教育実習から半年後、本格的に就職活動を始めた際にこれまた近所のコナカでスーツを買いました。

 

今となってみれば買い足す必要がなかった気もしますが、就活時期特有の謎の緊張感により、「リクルートスーツ」なるものが必要だという強迫観念に駆られてお店に行ったところ、「あったほうがいいでしょうね。爽やかさが重要ですよ。」という店員の言に唆される形で買わされたのでした(2着あったほうがいいという店員の言を頑なに拒んだのは私の吝嗇根性の為せる業だったか)。

 

就職活動記~髪を切る・リクルートスーツを買う~

 

この時はスーツに加えて、リクルートシューズとネクタイとシャツのセットを買って4万円ぐらい支払っていたようです。

 

就職に備えて買い足す

売り手市場だったこともあり、就職活動をリクルートスーツ1着で乗り切ることができました。就職先の仕事服はスーツだったので、これまで買ってきたスーツ4着で回せるだろうと思っていたのですが、親が就職祝いに買ってくれるとのことでお言葉に甘えることにしました。

 

そして、いつも通り近所のコナカへ親とともに行くことになるのでした。

 

癖のある店員

この時のコナカの店員がとても癖のある人で、 親が「皺にならない(なりにくいの意味)のがいいよね。」と言うと、「皺にならないものはございません!皺になりにくい加工がしてあるだけです。」というツッコミを入れてきたと思えば、全く必要のないネクタイを薦めてくるなど、非常に面倒くさい店員でした。

 

これ以降面倒な店員に何度も遭遇することになりますが、一番面倒くさかったかもしれません。

 

そもそも店員と一緒に選ぶ(ものだと思っていた)スタイルでの買い物が苦手なのに、その店員自体が面倒くさいのなんて地獄です。さらに面倒なことに出資者の親がいるから気を使わざるを得ないというのに…。

 

結局は「ツーパンツあるとお得で楽」という、これまでの社会人生活で一度もそうはおもったことがない謳い文句に釣られてツーパンツスーツを2着買うことになったのですが、これ、全然サイズが合ってなかったんです。パンツは太いし、ジャケットはでかいし。

 

店員は「今の流行りはこのぐらいのサイズ感です。」とか言っていたので鵜呑みにしましたが、絶対売りたいだけだったよなと、今となっては思うのです。

 

就職後

就職までに6着のスーツを手にした私ですが、買ってもらったツーパンツスーツは就職後の割と早い段階で処分することになります。サイズも柄も自分に全く合っておらず、着られている感が苦痛だったのと、生地もすぐにヘタってテカテカになってしまったからです。

 

また、入学式のときに買ってもらったスーツも時代遅れの感じがしてしまって着れず、新人時代は3着(リクルートスーツ+教育実習の時に買った2着)をローテーションして着ていました。

 

その後もスーツがくたびれるたびに都内のコナカや、一人暮らしの駅から少し歩いたAOKIなどでスーツを買うことになるのですが、身長の低さからか完全に合うスーツが見つけられませんでした。

 

店員も「このぐらいで妥協しろ」みたいな態度をとってくるので、しぶしぶ妥協するのですが、「5万~7万払っているのに毎度これでは…」という気分になり、大手紳士服チェーンに行くのが億劫になっていました。金を払って残念な気分になるって、なかなか辛いですよね。

 

ECサイトも利用

店に行くのがどうしようもなく嫌になったときには、ネットで調べて試着せずに買うこともありました。写真とイメージが合わなかったり、サイズが微妙に違っていたりと失敗することは何度かありました。

 

それでも、安く入手できる店もあるし、店員のセールスもないので、実店舗より納得のいく買い物ができたように思えます。

 

転機

そして、2015年。大手紳士服チェーンをスーツを買う選択肢に入れなくなる決定的な出来事が起こるのです。

 

当時、私は結婚する前の妻の仕事が終わるのを待つ(妻の方が始業時間と就業時間が遅かった)ために、妻の勤務先の近くである有楽町のあたりをよくぶらぶらしていました。

 

そこで気づいたんですよ。大手紳士服チェーンじゃなくてもスーツを『買える』ことに。

 

売っていることは知っていたんです。でも、それは高すぎて買えないものだと思っていたんです。しかし、値段を見ると大手紳士服チェーンと変わらないどころか安いものもあって驚きました。デザインも生地の質感も大手紳士服チェーンよりいいのに…。

 

試し買いで驚く

当時、「仕事帰りにデートするのに格好いいスーツが欲しい」と思っていた私は、形も色も気に入ったスーツを目にし、試しに買ってみようと思い、店員に試着させてもらうことにしました。

 

試着したスーツを気に入り、購入することを決めた私は、店員にお直しをお願いしました。

 

その時に左右の袖丈・裾丈を別々に測られたことに驚きました。「右と左で長さが違うことがありますから」と言いながら丁寧にやってくれるのです。そこで初めて、私は右手の方が0.5cm長いことを知りました。

 

おい、紳士服チェーン、負けてるぞ…!!

 

これまで大手紳士服チェーンでは機械的に裾を測るだけでしたし、袖も言わなければ測ってくれませんでした。私は腕が短いので、袖を直さないと手の甲の真ん中ぐらいまで袖の先が隠れてしまうのです。

 

そもそも袖を直すことができると知ったのも、紳士服チェーンではなくスーツの着方的な特集記事でしたし…。

 

選択肢に入らなくなった

それ以来、「スーツは紳士服チェーン」という固定概念が無くなり、スーツが欲しくなった時に、大手紳士服チェーンが選択肢に入ることが無くなりました。

 

試し買いしたお店のスーツは、見た目も着心地もよいものでしたし、値段も手ごろでしたから、今ではスーツが欲しくなった時の第一候補になっています。

 

フィッティングのサービスやお直し完了後の確認も丁寧で、買い物をしてとても気分がいいのです。大手紳士服チェーンとは比べ物にならないぐらいに。

 

おわりに

20代の後半ごろ、格好よく服を着たいと思うようになって、いろいろと調べたり試したりした結果、着丈や袖丈など、あらゆる丈に気を配り、自分にジャストフィットする服を選ぶことが重要だと思うようになりました。

 

そんな時に「左右で腕の長さが違うから測りましょう」なんて言われたものですから…。あの店員さん、上手かったな…!

 

もちろん、私と大手紳士服チェーンの店員の巡り合わせが悪いだけで、素晴らしく気の利く店員さんもたくさんいるのでしょう。でも、何年通っても自分が納得のいく買い物ができなかったのですから、今後また行くことはないと思っています。

 

あくまで私が紳士服チェーンに行かなくなった理由ではありますから、そもそもの苦戦している原因とは程遠いことだと思います。かつて利用していた1ユーザーとしての意見です。