年に一度、花見をするだけの友達がいるということ。

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先日、花見友達と上野公園に桜を見に行ってきました。彼とは年に一度、この時期に桜を見に行くだけの仲。ただそれだけなのに、こんなに楽しいのはなぜなんだろう。

 

 

花見友達

私と花見友達の出会いは仕事でした。年齢は私より一つ上。会社は一緒ではないのですが、同じプロジェクトに携わっていた縁で誕生日パーティーにお誘いしたのです。

 

www.tonymctony.com

 

返事は「ノー」でしたが、「その代わり、上野に花見に行きませんか?夜桜が好きなんですよ」と逆に誘われたのでした。

 

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その時のメール。後日「あれって、来たくなかったんですよね?」と聞いたらそのとおりとのこと。

 

以来、毎年桜が咲く頃になると、どちらかが「そろそろ桜が咲きそうですよ」というメールを送り、スケジュールを調整して花見をするというイベントができました。

 

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去年は花見友達からこんな感じでお誘いが。

 

面白いのは、取り決めや約束をしたわけではないのに、会うのが年に一度、この花見の時だけということです。花見の時スケジュールを調整する時以外には殆ど何の連絡もしないため、花見の場で「新事実」を告げ合うこともしばしば。そのリアクションをお互いに楽しみにしている部分もあるのだと思います。

 

花見の概要

花見の会場は毎年変わらず上野恩賜公園。お互いが知っている私の会社の後輩を1~2人連れ、毎年同じような場所に陣取り、桜を見上げながら持ち寄った飲食物をシェアし、「どうでもいい話」をだらだらとし続けます。

 

www.kensetsu.metro.tokyo.jp

 

その「どうでもいい話」の合間合間に「結婚した」ことに気づかれたり、「転職をした」ことを私が知っている体で話が進められたり、「子どもが生まれた」ことを告げずに子どもの名前の一文字が相手の名前だと告げたり…。そんな「遊び」をしながら後輩を置いてけぼりにして満足をする会です。

 

持ち寄った飲食物が無くなると、不忍池弁天堂の屋台に食べ物を買い求めに移動し、それを食べ終えたら解散になるのが例年の流れです。だいたい2~3時間ほどの宴です。

 

話すのが楽

彼と「どうでもいい話」をして思うことは、とても楽だということです。それは関係がこの時だけということもあるのでしょう。

 

「また、めんどくさいことを」とか「(育休や時短勤務を)なかなか楽そうでいいですね。」なんて発言を平気でする彼ですが、それがまったく嫌味に聞こえないんですよね。逆に心地よくあるのも不思議です。

 

私も「これ不味いですね。」とか「まーた訳の分からないことを。」とか平気で言ってしまえるのも、彼がその発言を喜んでいる印象を受けるからでしょうか。

 

そうして毎度後輩たちを置いてけぼりにしてしまっているので、少し申し訳なく思い「強制ではないしつまらなかったら来なくてもいいんだからね。」と誘うときに確認してみたところ、「置いてけぼりが楽しい」というドM発言をされたので、さらに楽になりました。

 

今年の花見

今年は私がメールを送ったところ、花見友達は「仕事が忙しい」とのことで調整が難航しましたが、桜がまだしっかり咲いている日に開催することができました。

 

ピークの時期を1週間ほど過ぎていたせいか、いつも花見客で賑わっている場所が閑散としており、喧噪に煩わされることがなく、とても贅沢な花見をすることができました。

 

フィアンセは?

昨年、彼は「結婚を考えている」とまさかの発言をし(ずっと一人で生きていくタイプだと勝手に思っていたので驚いた)、宴の終わりごろにフィアンセが合流するという跳んだサプライズを用意してきました。その際にフィアンセが「来年も参加する!」と仰っていたので、今年は宴の頭から来ると思っていたのですが、いらっしゃらなかったのです。

 

「今年は参加しない」とも「後から合流する」という話もなく、また彼の指にを見ても指輪がなかったので、「もしかして…国際結婚のハードルは高かったのか…?」と変に勘ぐってしまいました。

 

しかし、いつもどおりのどうでもいい話の流れから、「親父はスーパードライが一番って言ってますね。先月、海外(フィアンセの出身地)での結婚式でビール飲んでたんですけど…」という話があり、どうやら関係が終焉したわけではなく、入籍したらしいぞということが分かり、ほっとしました。

 

言ってくれればお祝いの品を持ってきたのにと、変に気を遣ってしまったことに対する文句を言ったところ、「トニーさんだって言わなかったじゃないですか。お互い様ですよ。」とのこと。仰る通りでございます。

 

遅くまで仕事だったらしい

種が明かされれば、その点に追求するものいつもの流れ。今日は仕事で遅くなっているが、後々合流するということ。海外での結婚式は映画の出演者になった気分になれるということ。日本の結婚式とは違って贈り物をたくさん用意しなけれならず、大変だったことなどが彼の口から語られていきました。

 

また、指輪をしていないのは単に付け忘れただけとのこと。「付け慣れなくて忘れちゃうじゃないですか。」なんて柄にもない初々しいことを仰るのには思わず吹き出してしまいました。

 

合流後

その後、酔っ払いに絡まれて(そっちのけで適当にあしらってるのに1時間半ぐらい鎮座していた)不忍池の屋台に行けなかったり、後輩がなかなかトイレから戻って来なかったり(絡んできた酔っ払いが嫌だったらしい)といったこともありましたが、楽しい宴になりました。

 

今年も花見友達の奥様が合流するのは宴の最終盤でしたが、幸せそうな二人とお話ができてよかったです。

 

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お土産もいただいてしまいました。海外土産ではなく、都内のお土産ですが(笑)

 

あまりに嬉しかったので、奥様の前で指を隠しながら話していた花見友達を横目で見ながら、「今日、結婚指輪を付け忘れてきたらしいですよ。」と発言し、奥様から外すもなのかと問われ「いやいや、普段外すことはないですよ。」と申し上げてまいりました。

 

その発言をした際、彼が射るような目で「なにか」を訴えていたのですが、さらりとかわしてしまいました。さて、このツケはいつ回ってくるのやら?

 

おわりに

宴の終わりに、この関係やイベントにも、桜が散るようにいつかは終わりは来るのだろうなという少し寂しい思いを抱くのですが、気が付くと桜の季節がやってきて、また私たちは桜の下で会するのでしょう。

 

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千鳥ヶ淵あたりの桜。暗くてよく分かりませんが

 

なお、仕事が終わってから待ち合わせの時間までに時間があったので、都内の桜のスポットを散策していたのですが、見事に道に迷ってしまいました。迷って迷って10km以上歩いた挙句、間に合いそうになかったので地下鉄に乗って上野に向かうことに。

 

それもそれで、楽しい思い出になりましたけどね。