先日、king Crimson(以下キングクリムゾン)の来日公演に行ってまいりました。興奮したという言葉しか出てこないぐらい圧倒されてしまい、ライブレポートを書こうとしてもモノになりそうにないので、後日その日あったことを含めた日記を書くとして、本日はキングクリムゾンと私の出会いからこれまでについてお話してみようと思います。
需要は無いでしょうが、本日はどうしても書きたくなっちゃったので。
興奮した。生キングクリムゾン。 pic.twitter.com/3zyI3DHP2l
— トニー・マッカー・トニー@育休9ヶ月目 (@tonymaccartony) 2018年11月28日
キングクリムゾンと私
キングクリムゾンについては私が語ったところで、先哲たちの二番煎じにしかならないため、割愛します。このバンドのことが好きなのは、50年以上の歴史が面白いからというのもあるんだろうな。
クリムゾンキングの宮殿
ちなみにジャケットは今もそんな好きじゃない。
大学時代にファーストアルバムである「クリムゾンキングの宮殿」を借りて、「なんだかすごいなあ」程度の感想しか持てず、なんとなく演歌っぽさもありあまり聴くことがありませんでした。1曲1曲が長いし疲れるし。
ポセイドンのめざめ
しかし時間を持て余していた怠惰な学生だった私は、「別のアルバムを聴いてみるのもいいかも」と思い、セカンドアルバム「ポセイドンの目覚め」に手を出します(ちなみにタイトルは誤訳らしい)。
レンタルショップですさまじく音質が悪いのを借りたせいか、これもハマらず。あろうことか、1枚目の二番煎じかよ!と思ってしまう始末でした。
レッド
それでもやはり何かが気になるのか、懲りずに借りた「レッド」何ともいえない陰鬱感の中に漂う美しいメロディに惚れ、気分が沈んでいる時はよく聴いていました。終わりが「スターレス」なんて最高じゃないかと。
ただ、無駄に長いなとは思っていました。それまでビートルズなどの曲を好んで聴いていた私にとってこの長さは退屈でしかない。だから聴くのが辛い時はありました。
それがまさか、こんなにハマるなんて…。あの頃の私よ、時間と言うものは様々なものを変化させるようだよ。
アイランズ
以降、たまにレッドを聴くぐらいで、殆どキングクリムゾンの別のアルバムに触れぬまま大学時代を終えました。
社会人になり、一人暮らしを始めたことで静寂な時間に堪えられない自分に驚き(まさにスターレス)、音楽に癒しを求めることが増えました。毎週末レンタルショップやCDショップに通い、音楽を聴き漁っておりました。
そうして、手を出し始めたのがキングクリムゾンの「アイランズ」。「たまにはゲテモノでも」という気分で借りたのです。
そしたら、これまで聴いてきたどのアルバムよりも静謐で美しんです。そして尺的にも通勤時間に聴くのもちょうどよくて、一時期はこればっかり聴いていましたね。「フォーメンテラ・レディ」で始まる一日なんて最高でしょう?
リザード
アイランズに続いて借りたのはリザード。ちょっとサウンド的に古臭い感じがしたんですけど、結局ハマりました。最後の23分にも及ぶ組曲である表題曲、「リザード」はイエスのジョン・アンダーソンが参加してるんですけど、当時は「それが?」って感じだったのです。
しかし、この数年後、君は育休を取って子どもとYouTubeでジョン・アンダーソンばっかり見てるのよ…。そしてこの「意味」に感動せずにいられないのよ。
太陽と戦慄
そのタイトル名とジャケットに恐れ慄いて、なかなか聴くことができなかったのですが、トヨタの車のCMで使われていた曲がこのアルバムに収録されている「イージー・マネー」であることを知り、手にしたのでした。
タイトルも本来は「Lark's Tongue in Aspic」と日本語版タイトルに全然関係ないもので、戦慄することはなかったんですよね。太陽も関係ないじゃん。ジャケットからのインスピレーションでタイトル付けただけじゃん、と。
凄まじくかっこいいんですけど、なんとなく心が荒むので聴けるモチベーションは限られたいたかな?(会議のある日は聴いて通勤してたな)
ラディカル・アクション
その後、時間が経つにつれキングクリムゾン自体を聴かなくなり、結婚後にまで時間は進みます。
Amazonのプライムミュージックでイエスを聴いたらハマり、久しぶりにキングクリムゾンが聴きたくなって調べてみたら、恐ろしいことをやっていたのです。
トリプルドラムの7人体制
なんじゃそりゃ!?って、思いますよね。音楽好きな人なら特に???ってクエスチョンマークが並ぶはずです。無茶苦茶興味を惹かれました。
そして、YouTubeのDGM Liveチャンネル(キングクリムゾンのオフィシャルチャンネル)でアップされた7人体制の動画を見て度肝を抜かれた私は、そのライブ盤である本作を購入するに至るのです。そして、来日公演に気づかず、行けなかったことをひたすら後悔することに。もっと早く私のキングクリムゾン愛が再燃していたら…。
crimson jazz trio
ラディカル・アクションを聴き再度ハマったことで、これまで私はキングクリムゾンは「キングクリムゾン」としか認識していなかったものが、各メンバーについてまで興味が湧きます。
そうして、辿り着いたのがこのジャズアレンジアルバム。元メンバーのイアン・ウォーラスがドラムを叩いており、結成時から現在まで唯一在籍するオリジナルメンバーであるロバート・フリップに「クリムゾンの曲の新しい解釈を見せてくれた」という賛辞のコメントを贈ったアルバムです。
これ、物凄くお洒落でずっと流していても飽きないぐらいかっこいいんです。クリムゾン知っていたら知っていたで楽しいし、知らなくても問題ないぐらいの完成度。CDはプレミア価格ついてたから、itunesで音源を購入しました。
モルゴーア・クァルテット
ジャズがいいなら弦楽アレンジもいけるだろうと思ってハマったのが、モルゴーア・クァルテット。最初外国人だと思ってたら、日本人だったのよね。これはキングクリムゾンだけでなく、イエスやELPなどの曲のアレンジがも秀逸(どちらかというとこのアレンジはそっちの方が好き。)
濃縮キング・クリムゾン 普及版
ジャズアレンジを聴いたことで、70年代のキングクリムゾンにしか触れていなかったことに気づき、借りてみたのがベスト盤。80年代は社会人若手時代に、絲山秋子の著作に影響されて「エレファント・トーク」を聴いたんだけど、全然良さが分からなくて断念したのでした(改めて聴いたらなんで駄目だったのか分からないぐらい好きになったんだけど)。
これで80年代だけではなく、90年代以降にまで興味が及び、 80年代のアルバムをスキップして90年代以降のアルバムを借りることになります。
スラック
このアルバムだったら「ダイナソー」。私の息子のテーマソング。なんでこの曲が好きなのかといえば、妻が「最初GRAPEVINEだと思った」と言われるぐらい「あんな感じ」だからなんでしょう。
歌い手のエイドリアン・ブリューに興味を持ちだしたのもこのアルバムでした。あの人も面白いのよね。やっと最近、ロバート・フリップと和解したらしいですね。
ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ
Thrakと同時に手にしたのがこのアルバム。「Happy With What You Have To Be Happy With」なんて早口言葉のような覚えにくい曲が大好きで、残業で終電で帰る時とかもうテンションが上がってしまってしょうがないぐらいでした。
ロバート・フリップが「キングクリムゾンはプログレじゃない!」って怒る理由がよく分かるぐらい、70年代、80年代(アルバムちゃんと聴いてないけど…)、90年代、00年代、10年代と全く違い、進化し続けるモンスターがキングクリムゾンなんでしょう。
おわりに
以上、長ったらしく誰のためにもならない、キングクリムゾンと私のクロニクルでした。本当は1アルバム1アルバムごとにもっと想いが詰まってるんだけど、それを書いていたら、何日かかっても足りないのでやめておきます。
ん?「7人体制のトリプルドラムってどんなもの?」だって?
King Crimson - 21st Century Schizoid Man
これです。公式の日本公演の動画。今年はこれにもう1人増えてるんですよ。もう、ワクワクしちゃうでしょう?
来日公演の感想はこちら