友人から突然「SNSのアカウントを消したいんだけど」と相談を受けた話。え?それで家に来るの!?

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先日、私の滅多に鳴ることがないガラケーに着信がありました。誰だろうかと画面を見てみると、数少ない地元の友人でございました。今となっては年に1度会うかどうかの関係ですが、結婚や出産の節目節目で連絡を取っており、細く長くいい関係を築けていると思っていました。この時までは…。

 

 

アカウントを消したい

彼の電話の内容は「SNS等のアカウントを消したいが、アカウントもパスワードも忘れてしまったので、どうしたらいいだろうか?」というもの。少し焦りのある深刻な声で話しておりました。

 

「それはSNSの窓口に問い合わせてみればいい話なのでは?」と思ったので、そう返してみると驚きの答えが返ってきたのです。

 

登録したSNSが分からない

彼の答えは「SNSのアカウントを消したいが、そもそも何のSNSに登録したのか分からないし、登録したメールアドレスも分からないから調べたい」というものでした。それはメールボックスを漁るか、しらみつぶしに登録したSNSに問い合わせていくしかないのでは?

 

また、忘れちゃったならそんなに焦って消さなくてもいいのでは?とも思いました。忘れちゃうぐらいのアドレスでの登録なら、たいして重要な情報を登録していないんだろうし。

 

そのように思ったことを告げたのですが、彼としては何としてでも登録したSNSを探しだし、アカウントを全て消したいとのこと。さらにはそれらを探すために一度(私の家まで)行くから手伝って欲しいと懇願されました。

 

なんだかここまでの話、怪しくないですか?

 

家に来るのはいいけれど…

「まあ、育休でずっと家にいるからいつ来てくれてもいいのだけど、そもそも来てくれたってたいしたことできないよ?何の収穫もないかもしれないよ?」と返したのですが、「俺、こういうの分からないから、教えて欲しいんだよ。」と、彼は来る気満々。

 

行くと言ってすぐ来れる距離ならいいのですが、彼の家から我が家までは電車で3時間程度かかります。そこまでしてやりたいのか!?と疑念は募るばかり。

 

ひとまず、これまでに受領したメールを調べて登録したと思しきSNSを一通りリストアップしておくように告げ、会う日を決めました(研修で都内に出てくる日があって前泊するらしい)。訪問時間はあとで連絡するとのこと。

 

ノートPCを持ってくるように伝えたところ、アンチウイルスソフトのアップデートもやってほしいとのことでした。え?そのぐらい自分でできないの?

 

妻に告げると当然訝しむ

妻に友人とのやりとりを話したところ、「不穏な感じだね」と訝しんでおりました。家に来るなり、なにかよからぬ商談を持ちかけられるのではないかと。もしくは浮気?不倫?女性関係の懺悔?などと妄想を膨らませていらっしゃいました。

 

確かにありえそうな話ですが、私は少々混乱しておりました。そういった怪しい商談を持ちかけるのであれば、「今度そっちに行く用事があるんだけど、会いに行ってもいいかな?子どもに会いたいなー!」みたいな切り口で不安を与えず連絡してくるのが定石なような気がしたからです。

 

しかし、長年の付き合いから彼の性格が「非常に不器用」であることが分かっているため、今回のようなよく分からない話で相手を不安にさせた挙句、怪しい商談を持ちかけてくることもありそうなのでした…。

 

前日まで連絡がこない

「訪問時間はあとで連絡する」とのことでしたが、約束の前日になっても連絡が来ず、結局こちらから連絡することになりました。

 

彼は前回よりは落ち着いた様子で電話に出ると、開口一番連絡が遅れたことに対する謝罪を口にし「あれから色々と整理してみたんだけど…。」と話を切り出しました。

 

訪問はキャンセル

彼の言によると、「ノートパソコンを持ち運ぶのは重いので行くのをためらっている」とのこと(何のためのノートパソコンなのだろうか…)。

 

また、自分の行動原則から考えて、よく知らないメールアドレスを使ってSNSに登録するようなことはしないだろうから、現在使っている2種類のメールアドレスを用いて、登録したと思しきSNS等にしらみつぶしで問い合わせていけばいいのではないかという結論に至ったとのことでした。

 

うん、最初にそう言ったような…と思いつつ、彼の選択を後押しして、彼の訪問予定をキャンセルすることにしました。そっちの方が私も家族も心の平穏が保てるし、彼もわざわざ時間とお金を使って来ることはないし。

 

その後の会話からの推測

何故彼は、私にこんな相談をしてきて、わざわざ訪問しようとしてまで教えて欲しいという発言をしたのでしょうか?

 

あくまで彼との会話から得た情報からの推測なのですが、登録した覚えのないSNSやサイトからの架空請求的なメールかメッセージが届いたことで不安になったのではないでしょうか。

 

ゆえに、「どのSNSに登録したか覚えていないから調べたい」という発言が出てきたのかなと。そして、今後そういった身に覚えのないけれど、やっていたかもしれない請求に怯えるぐらいなら、すべてのアカウントを消してしまいたいという考えに至ったのではないかと。

 

「分からない」ものは自分で調べず人に聞く

彼は会話中「分からない」という言葉を多用していました。「俺、よく分からないから教えて欲しいんだよ…」「こういうのよく分からないって駄目だよね…」「誰に聞いたらいいか分からないんだよね…」などの発言です。

 

彼は今回のSNSアカウントの件のみならず、クレジットカードも「分からない」から持っておらず、またネットバンキングや電子マネーなどの決済を快適にするサービスも「分からない」から利用していないそうです(以前、彼とお金のやりとりをしたときに得た情報)。

 

「分からない」ものは自分から調べることはせず、今回のことのように「人に聞いて知る・覚える」ことが多いようです。SNSなども「分からない」ものの一つなのではないかと思ったのですが、これらは「友人や会社の人がやっているから」付き合いで登録することも多かったそう。

 

正直な話、こんなことではいつ誰かに騙されてもおかしくはないと心配してしまうのですが…。

 

おわりに

そういうわけで、何の問題もなく一連のやり取りは終了し、彼と友人関係ではなくなることは避けられました。ただ、彼の将来が少し思いやられるのも確かであり、またそう思ってしまう自分が、彼に対して何らかの優越感を持っているような気がしてしまい、なんとも複雑な気持ちになったことも確かです。

 

今回の出来事は疎遠になることの始まりなのかもしれないですし、そうでないかもしれません。実際に会って昔の話にしまえば、なんともなかったことなんていくらでもありますからね。

 

願わくば、私の予想が外れて変なビジネスに手を染めているわけではありませんように。