見たいテレビ番組は録画をし2倍速でCMや溜め部分を飛ばしながら見ています。時間の節約になるし、2倍速で言葉を聞くと理解力を鍛えられるらしいので。
ゆえに、これまでCMを見る機会があまりなかったのですが、実家に帰省した際に久しぶりにCMを見ることになりました。そこで違和感を感じたのが、各社のキャッチフレーズ。保険や金融商品のCMだったと思うのですが、それで本当に加入したくなったり始めたくなったりするのか?と疑問を感じたのです。
キャッチフレーズ
以前、プレゼン力を鍛えようと思ってキャッチフレーズに関する本「キャッチコピー力の基本」を読みました。これを読んだ後にCMなどを見ると、確かに印象に残るキャッチフレーズを使っているなと感心しました。何も考えずに見ていたけど、緻密な計算が働いているのだな、と。
しかし、その印象に残ったキャッチフレーズの意味を掘り下げて考えて見ると、疑問に思うことが多いのです。以下、疑問に思ったキャッチフレーズを挙げていきます。
3人に1人が始めています
「乗り遅れないようにしましょう。」という意味で使っているのでしょうが、3人に1人って半数には到達していないから、少数派の方なんですよね。殆どの人が始めているのに、あなたはやらないの?と焦らせるなら分かるんだけど、3人に1人だったら、「やってる人が少ないならいいや」と思われてしまうのでは…?と感じました。
多数派に左右される?
そもそも、「みんなやってるから自分もやる」というのも理解できないのですが、他の人が基準になって自分の行動を決める人は一定数いるんですよね。
かつて一緒に働いていた後輩も「みんなが貯金しているから自分も貯金を始めた」とか、「他のやつがやってないからまだいいかなって」などの主体性が無い発言をしていました。これは1人ではありません。複数人です。
若い世代に選ばれています
若い人に対して訴求したいのでしょうが、若い世代とは何歳までなのか?若い世代がなぜそれを選ぶのか、なぜ若い世代だけなのかがよく分かりませんでした。では高齢世代は何を選んでいるのか?高齢世代は選んではいけないのか?
CMの時間だけでそれを説明するのは難しいでしょうから、ピンと来た人が調べてくれればいいのだとも思いますが…。
若者向け
「若い人でも安心」や「若者向け」って言いかえると、無知だから騙しやすいって言っているように聞こえることがあります。本当にそんな意図があるのかは分かりませんが、「若いから分からないんでしょう?」って上から目線で言われているような気がしてしまうのです。私が穿った見方をしているからかもしれませんが。
選ばれてナンバーワン
熟考した結果選ばれているならいいのですが、同じ謳い文句で選んでいる人もいるわけですよね。「ナンバーワンなら間違いないだろう」という根拠で。皆が選んでいる=謎の安心感があるんだと思うんです。
確かに一番選ばれているものに関しては、ちゃんとした理由があって選んでいる人もいるので否定される側面は少ないのでしょうけど、個人個人に合う・合わないはあるわけです。ゆえに、一番だからということは頭に入れずに選んだ方が変なバイアスがかからずに、本当に自分に合ったものが選べるんじゃないかな?と思うんですよね。
おわりに
もちろん、CMのキャッチフレーズはそれにすべての意味を込めているわけではなく、肯定・否定問わず「何か引っかかったから調べてみよう」という好奇心をくすぐることもあるわけで、そもそもこんな記事を書く私自身が引っかかっている気がするのも確かです。
広告の常套句を鵜呑みにするのではなく、一歩踏み込んで考えてみると、違った見方もできて楽しいのではないかと思うのです。サービスの享受側の視点のみで考えるのではなく、提供側の視点で考えてみるのも面白いですよ。