私が投資を始めたのは、2016年10月のことでした。あれから2年が経ち、投資3年目を迎えました。当時の日経平均は17500円程度で、11月3日現在は22243円。およそ27%ほど上昇しています。私の資産もそれを超える程度には増えているので、投資を始めて良かったなと思っています。投資をしていなかったら増えていないわけですから。
「投資を始めた人の9割は1、2年の間に資金を全額失い投資の世界から撤退する」というニュアンスの、どういうエビデンスを以っていっているのか、そもそも誰が言ったのか知らない怖い言葉がありますが、その言葉を信じるのであれば、私は残りの1割として生き残ったようです(上昇相場だったとかいろいろ要因はあるのでしょうが)。
かといって、「私はこうして生き残った」とか、「私の投資法はこうだ!」なんて言うつもりはありません。そういった、世に蔓延る「必勝法」は「言って当たったもん勝ち」のような気がしてならないからです。
『臆病者のための億万長者入門』で「投資はギャンブル」だと言い切っている人がいるように、様々な思惑が渦巻く世界のため、ある程度運の要素が絡むものだと思っています。
今回は、私のこれまでとこれからの「投資」のお話をしたいと思います。また、タイトルにあるとおり、NISAに対して思うことをつらつらと。
投資を始めたきっかけ
始めたきっかけはAmazonのKindleストアでセールになっていた、『外資系金融マンが我が子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話』を読んだことでした。
「是非、この本を読んください!投資を始めるにあたって最高の本です!」なんてことは言いません。「投資」と言うものに対して無条件で抵抗を抱いていた私に投資をさせるまでになった本というだけです。
そう書いてしまうと凄い本のようにも感じますが、きっかけはなんでも良かったのだと思います。たまたまこの本だっただけで、別の本や漫画を読んで始めたかもしれないし。今となっては、この本に書かれていることは「参考程度」であることも多いですし、「投信」はiDeCoでしか買ってないですしね。
口座開設
きっかけとなった本を読了後、私は株を買うために証券会社の口座を開設しようとネットで情報を調べました。様々なところでキャッシュバックキャンペーンを実施していたので、その当時で一番キャッシュバック額が大きい証券会社を選んだ気がします。手数料も安かったのでそこでいいかなと。
ちなみに、信用取引口座は解説していません。した途端、眠れなくなりそうだし。
最初に購入した株
鉄道会社の株を買いました。株主優待として乗車券がもらえるので、実家に帰る際に使えると思ったのです。購入金額は50万円ほど。そんな額を一度に決済するなんて結婚式以来だったため、ドキドキしましたね。
この株は購入後にどんどん値をあげて行ったため、値上がり益に目が眩み、株主優待を貰う権利が確定する前に売却してしまいました。その益で優待券が買えると思って。
NISAの存在を知る
2015年11月にNISA(小額投資非課税制度)の内容を知り、なんで最初からやらなかったのかと後悔。急いで手続きを進めることに。
NISAって響きから、新興国向けの投資だと思っていて、調べることすらしなかったんですよね…。証券会社の案内を見て初めて知りました(思い込みはいけませんね…)
ただ、申請には2013年1月1日時点に住んでいた住所の住民票の写しが必要とのことで、開設までに時間がかかってしまいました(役所の窓口で「NISA口座の開設のために…」といっても分かってもらえず…)。結局使えるようになったのは2016年のこと。
これを2015年枠で使えていれば、最初に買った鉄道会社の売却益がもっともらえたのに!と今でも引き摺ってはいませんよ?
NISAとは
株式(株)や投資信託(投信)の運用益・売却益には約20%の税金がかかります。例えば、10000円の配当金を貰っても、約2000円は税金として納めなければいけないわけです。しかし、NISAであればその分の税金が非課税になります。10000円の配当金がそのままもらえます。
NISAは毎年120万円の「枠」が付与され、NISA枠で購入した株や投信の運用益と売却益は5年間非課税となります(より詳しい内容は上記リンクにて)。なお、NISA枠で購入した株を売却した場合、その枠は復活することはありません。
「NISA」という心理的な縛り
私は2017年、2018年とNISA枠をギリギリまで使って株式を購入しました。利益に課税されないというのは非常に大きなメリットですからね。
しかし、このメリットが時折、マイナスに作用することがあります。「NISA」だからという特別感が投資に対する判断を鈍らせるのです。
NISA枠以外の通常の株購入・売却であれば、ある程度の売却益が見込めたところである程度は機械的に売却し利益を確定させていけるのですが、NISAの場合、非課税のメリットがちらつき「いや、もう少しいけるかもしれない…」という期待を持ってしまうのです。そうしてだいたい益が萎んでいく…ということを何度も経験しています。
7月に203円までいったものの、一気に下落。あの時に売って買い戻していれば…!とはちょっと思う。
80円で購入した「ビジョナリーホールディングス」のように含み益が萎むぐらいならまだしも、酷い時には「まだだ…まだ終わらんよ」と放置し続けた「ズーム」のように、購入時の半値以下になっちゃうものもありますし。
3000円を超えたときに売却して、ちょっと下がったからNISAで買い戻したらこのざまですよ。
5年という期間
ですから、NISAの有効期間を勘案し今後5年で大きく成長を「見込めそうな」企業を探し、NISA枠で株を購入しているのですが、1年先のことだって分からないのに、そもそも5年先のことを見通すことは難しいものです。
自分の立てた未来想像ストーリーは大体外れてがっかりしますし、当たっても何故か株価が下落することもしばしば。まあ、それが面白いと思えることもあるのですが。
それならば、「安定」していて配当が多い企業をと思って株を購入しても、減配になって株価自体も大きく下げることがあるわけです。過去10年を見渡せば、「安定」と思われていた企業が不振に陥り…みたいなことはたくさんあったわけですし、5年先まで「安定」している企業なんて分からないわけです。
「着物なら日本の伝統文化だし、外国人に需要あるだろうし、安定しているだろう。配当もなかなか高くていいな。」と思って2016年初めにNISA枠で購入した「京都きもの友禅」は業績不振から2017年10月に減配発表して株価も一気に下がりましたしね…(これは2017年初めに「なんだか読みが間違ってるかもな…」と思い売却したので、持ち株の価値が半減することを免れた数少ない成功例であります。)
これからのNISA
そろそろ年の瀬を迎え2019年分のNISA枠が付与されるわけですが、これまでの経験を生かしてなるべく「特別視」せぬようにしていきたいものです。
過去のことは過去のことと割り切り、経験を糧にしていくしかないわけです。たらればを言っても仕方ないわけですし。それでもたまにはたらればを言っちゃうし、言わせて欲しい
売り時が難しい
投資を2年やってみて思うのは、NISA枠問わず売り時が難しいということ。最初のうちは、いざ売ろうと思うと「もっと上がるのでは?」といらぬ期待をしてしまうことが多かったです。
今でこそ、NISA枠以外の株は「○○円になったら売る!」と意思を固くして、「その後上がろうが知ったこっちゃない。」と言い聞かせて売るので、以前ほど躊躇しなくなりました。
とはいえ、たまにその後ドカーンと上がるとやっぱり心動かされちゃうのは課題ではありますが…。
おわりに
以上、NISAに対する恨み節が殆どになってしまいましたが、今までの経験を活かしつつ、3年目の投資も無理せずに淡々と頑張りたいと思います。
1銘柄マイナス100万になったのはいいメンタルトレーニングでしたし、これまでの失敗は無駄ではないはず。
決して10月の急降下で含み益が吹っ飛んだことなど引き摺ってはいないのです。