タイトルは少し大げさかもしれませんが、とても面白い本を読みました。『あの』村上世彰氏が2017年に著した書籍『生涯投資家』という本です。
ファンド(通称:村上ファンド)を設立して2006年に逮捕されるまでのことから、逮捕された後のこと、現在の事業のことなどを赤裸々に綴ってあり、『人間・村上世彰』のことがよく分かる一冊に仕上がっています。
正直な話、この本を手にした理由はAmazonプライム会員の特典「Prime Reading」で無料で読めたからです。「Prime Reading」でなにか面白そうな本が無いかと探していたところ、見つけた書籍だったのです。そして「無料だし、通勤時間に流し読みをしよう」程度にしか思っていませんでした。
しかし読書後は、内容の素晴らしさに読書前の自分の態度を恥じたくなるほどに感動してしまいました。このタイミングで偶然出会うことができてよかった作品でした。
そしてタイトルで「読む運命だったのかもしれない」と思った理由を少し話してみようと思います。
村上世彰氏
私は一応(株やiDeCoをやっているという意味では)個人投資家ですが、村上世彰氏を特別に信奉しているわけではありません。もっと言えば誰も信奉しておりません。雑念を排し、自分の判断と分析に基づいて投資をしているつもりです。
また、村上世彰氏に関しても、『生涯投資家』を読むまでは「昔ニュースや新聞に出てきてたけど、悪いことをしてつかまった人」という印象しかありませんでした。村上氏については『物言う投資家』と呼ばれていたことしか知らなかったのです。
その程度の認知がなぜ運命にまで発展するのか?
とあるメモ帳に…
こちらをご覧ください。
名前の漢字を間違っているのが大変失礼なのですが、敢えてそのまま載せます。
これは2006年に村上氏が逮捕されたあとの新聞記事から写真をくりぬいて貼りつけたものです。このメモ帳で、ヤフオク(当時はYahoo!オークション)に出品した商品を管理していました。当時私は大学4年生で、都内の企業に内定をもらったところでした。余k年から実家を出て一人暮らしを始めるので、不要な私物を処分し始めていたのです。
この写真をメモ帳に貼りつけるに至った理由は思い出せませんが、この行動をとったことだけはずっと覚えていて、メモ帳も捨てずに取っておいてあるのです。
メモ帳の中身。私は昔からこうやって記録するのが好きな性分らしい。
「お金を上手く稼いでる人だから肖るのもいいだろう」という願掛けだったのかもしれません。その甲斐あってか、一人暮らしに向けて荷物を効率よく処分できました。
写真フォルダに…
約13年前の彼らの写真。若い!
村上氏が2006年に逮捕されたあとに、読売新聞で「誰が(村上氏と堀江貴文氏を)生んだのか」という特集が連載されていました。その見出しがかなり印象的だったので、思わず写真に撮ってしまったものです。
特集の内容はさっぱり覚えていないのですが(どちらかと言えば両者に好意的ではない内容だったと記憶しています)、この見出しは10年経った今でも鮮烈な記憶として残っていました。
ずっと気になる存在だった?
村上氏がどんな経歴で具体的にどんなことをしたのかについては、全くと言っていいほど調べることは無かったのですが、これらの二つの写真のことをはっきりと覚えているところから察するに、私にとって村上氏は『気になる存在』だったのだと思います。
なぜだか分からないけれど10年以上、心の奥の奥の方で気になっていた存在…。そんな彼の著作を偶然が重なり手にしてしまった。
なんだかそのことがものすごく運命めいたことのように感じられてしまったのです。『運命』なんて大げさな言い方かもしれませんが、何かの『縁』を感じてしまったのでした。
料理が趣味らしい
最後に、少しだけ本に書かれていたことに触れておこうと思います。本筋とは少し離れたエピソードなのですが、村上氏の趣味は『料理』だそうで、特に『出汁』にこだわっているとのことでした。 『出汁』と食材の組み合わせを考え、試行錯誤することが楽しいと。
この話に思わず共感してしまいました。私も料理が趣味なので、仰っていることがとてもよく分かったのです。最近は調味料を極力使わず、素材から出る『出汁』をうまいこと利用して美味しくしようと心掛けているところだったので、電車の中で「うんうん」と頷きながら読んでしまいました。
おわりに
10年以上経って、よく分からなかった人物の人となりや、話題になった出来事の顛末(あくまで村上氏の主観ですが)を知ることができて良かったです。
元々、村上氏に対して『悪者』や『犯罪者』というような悪いイメージは持っていなかったので、素直に手に取ることができたのかもしれません。そういったところも面白い縁なのかもしれませんね。
ちなみに、『生涯投資家』という本ですが、投資についての指南は一切ございません。「投資で儲けること」を第一に考えるのではなく、「『投資』という手段を用いて社会貢献をしたい・よりよい社会にしたい」と常に考えてきた人の想いがいっぱい詰まった本でした。