中学時代に遭遇した悪質な布団のセールスマンの話。

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この季節、布団の陰干しをしていると思い出す、「悪意」を漲らせた大人に出会った初めての体験。トラウマとまでは行きませんが、強烈な体験はその後何年かに渡り、私の心を苦しめたように思います。今だったら毅然とした態度で立ち向かえるのでしょうが…。

 

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これまで実家では大小様々なトラブルに巻き込まれてきましたが、一番大きな事件は警察がやってきた事件でしたが、最も大きな恐怖を感じたのは今回お話する布団のセールスマンかもしれません。

 

 

  

実家に来たセールスマンたち

たいていのセールスマンは腰が低く、子どもの私にも丁寧に対応してくれました。私が家に1人でおり、親が不在であることを告げれば「一人でいるときにごめんね。」と言って、パンフレットや名刺を渡してくるなどの対応で早々に辞去していきました。

 

当時、中学生だった私は「セールスマンって所作も話し方も丁寧で凄いな!でも、大変なんだろうな…。将来、あんな仕事ができる大人になれるのかな?」などと思って感心してしまったほどです。

 

そのため、当時は玄関ドアを開けることに抵抗がありませんでした。あの男と出会うまでは。

 

布団のセールスマンとの遭遇

その日、私は実家に1人でおりました。夕方だったと思います。ドアベルがなりインターホンで対応すると「いつもお世話になっております。」と言ったため「我が家に何か関係がある人だ」と短絡的に考え玄関ドアを開けたのでした。

 

ドアを開けると、「営業スマイル」と分かる表情を浮かべた背の高い男が立っていました。「優しさのないスネ夫」のような顔だなと思ったのが第一印象。笑っているのに笑っていないところに少し怖さを感じました。

 

私は合った記憶がなかったのですが、「久しぶり、覚えてる?」と声を掛けられました。話によると我が家ではこのセールスマンから布団を購入したことがあるようでした。

 

衝撃の一言

その後、何かを続けて話されていたのですが、私に話されても仕方のないことだったので、「今、親は出かけているので…」と判断できない旨を伝えたのですが、なかなか帰ろうとしませんでした。

 

そして唐突に「君、中学生だっけ?老けてるねぇー!」と悪意を漲らせた営業スマイルで言われ、衝撃を受けました。

 

当時私は思春期の真っただ中でしたので、自分の容姿を気にしておりました。それに対して堂々とネガティブなことを言われ、非常に傷ついたのです。

 

私は衝撃のあまり、愛想苦笑いをすることしかできずにいると、セールスマンは「じゃあ、また来るわ!」と言い、乱暴に玄関ドアを閉めて去りました。

 

その日から数日、「老けてるね」の一言が頭の中でリフレインし、とても憂鬱な気分のまま過ごしたことを覚えています。

 

弟も遭遇

その後、当時小学校高学年だった弟も1人で留守番中にそのセールスマンに遭遇し、とても嫌な気分になったそうです。ある日、弟にとても元気がなく酷く辛そうな顔をしていたので、どうしたのかと問うてみたところ、とても恐ろしい目に遭っていたようでした。

 

弟は小学生なので、1人で留守番中は親戚以外の訪問者が来た場合、玄関に出ての対応は避け、インターホンのみで対応するように言われておりました。

 

そのセールスマンが来た時、親が不在であることと玄関に出られない旨を告げると、ドアベルを何度も鳴らしたそうです。あまりにしつこいので、もう一度インターホンで対応したところ、セールスマンは大声で「バーーーカ!!」と言って去っていったそうです。

 

親に報告

あまりに酷い対応でしたので、弟が体験したことを親に伝えると父がその会社にクレームの電話を入れました。しかし、「我が社の社員がそんなことをするはずはありません。偽の業者ではありませんか?」というような対応をされたそうでした。

 

それで明らかに起こった様子の父はとても恐ろしい声色で「もうセールスに来ないで欲しい」と告げ、電話を切りました。

 

親の話によると、私が小学生の頃にその業者から布団を購入したそうなのですが、高額なだけで良いと感じるものではなく、営業もしつこいのでもう二度と買おうと思わないとのことでした。

 

私が中学生になると同時に現在の実家へと引っ越したので、もう営業は来ないと思っていたようなのですが、何かの伝手で簡単に調べられてしまうんですよね。

 

布団業者

ちなみに以前、この布団業者について調べたことがあるのですが、悪質な営業手法が並んでいました。今でも調べてみると検索候補に「悪質商法」と言うワードが出てきてしまうぐらい。

 

1度購入した客に執拗にモノを買わせるとか、高齢者に高額商品を売りつけていたとか…。

 

最後の遭遇

父のクレーム電話により、もう来ることはないと思われたセールスマンでしたが、その後暫くして再度訪問してきました。それも運悪く、私が1人での留守番中に玄関前で自転車のタイヤに空気を入れていた時のことでした。

 

セールスマンは悪びれぬ顔で現れ、「今日も親いないの?」と声をかけてきました。私は関わりたくないので、「はい」とだけ告げると、セールスマンは人を舐めたような蔑むような醜い顔で「こっちは好きで来てるんじゃねえんだよ!!分かる!?」と怒鳴ったのです。

 

私は恐怖のあまり急いで家の中に入り、玄関ドアの鍵を閉めました。

 

数秒の後、ドアに蹴られたような衝撃が走り、セールスマンは去っていきました。以来、一度も遭遇することはありませんでしたが、営業の電話は度々かかってきたようでした。

 

おわりに

この件以来、人の笑顔が作り笑いなのではないか?そして一瞬間の後に崩れ自分を罵ってくるのではないか?と時折、被害妄想に近い思いを抱くことがありました。もちろんただの杞憂に終わるのですが、その度にこの時のことを思い出してしまっていました。

 

大学時代には克服できていたように思いますが、仕事中に不満を言いたい顧客の作り笑いなどを見ると、不図この時のことが思い出されることもありました。

 

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以前、配送会社にクレームを入れたお話をしましたが、この時に母が快く思わなかったのは、この布団のセールスマンのことを思い出したからかもしれないなと。